ブチギレ読書シリーズ 『フェミニズムってなんですか?』

反TGism

清水晶子『フェミニズムってなんですか?』文藝春秋

VOGUEと学ぶフェミニズム』オンライン連載を書籍化したもの。

気になったところをピックアップしてツッコみます。

大学院でフェミニズム理論を学んだ写真家、長島有里枝と対談

連帯の文脈で、同じ「場」に一緒にいられなくなる人、その「場」では生きていけないと思う人をなるべくつくらないように実践していることはあるか?と聞かれて

p64 強調は筆者

(※)シスジェンダー……誕生時に法的・医学的に割り当てられた性と、自己の性同一性との間に違和感のない人。トランスジェンダーでない人。(p69)トランスカルト用語なのであてにしなくていいです。

ジェンダー論が具体的にどういう話をするのかまでは分かりませんが、そもそも性自認は根拠がジェンダー、つまり女らしさ・男らしさの偏見なんだから、それは虚構だよ、と教えないんでしょうか?

既婚・彼女持ちゲイとかいるらしいですし、女性と家事を分担する可能性も、なんなら女性への加害者になる可能性もあるので学ぶのは大事なんじゃないですかねえ。男性同士だったらどういう家事分担をするのか気になります。

「あなたたちはいないことにはなっていませんよ」?異性自認男性にも男性同性愛者にも、「男性であるあなたたちはこういうゲタを履いていますよ」と伝えられる機会だと思うんですが。例えば女性に美容や装飾を強いるが男性には求めない社会で、例えば女性に家事を負担させることによって支えられている資本主義の中で、男性であることでどんな得をしているか。何を自認しようと、何を好きになろうと、あなたは構造の中の一人ですよというメッセージを送るのもいいんじゃないでしょうか。

p77

オンライン連載ではJ.K.ローリングさんの写真とともに載った文章。「ノンバイナリーの人々が医療を受けやすくなるために工夫されてきた表現(というのもちょっと怪しいですが)を嘲笑したりする発言」はこれ↓のことでしょうか?引用しますのでご自身で見極めてください。

J.K.Rowlingさん2020年6月7日のツイートより

ちなみに朝日新聞はJ.K.ローリングさんが女性を「生理のある人」と呼んだとし批判しましたが、のちに訂正しています。「生理のある人」呼びとJ.K.ローリングさん、おかしいのは果たしてどちらなのでしょうか。

p77 強調は筆者

なんでシス女性と異性自認男性(いわゆるトランス女性)を並べるんだ??並べるとしたらシス男性と異性自認男性だろ!男性であることと異性自認であることをインターセクショナルな視点()で研究すればいいんじゃないですかねえ。

インターセクショナリティはブラック・フェミニズムから生まれてきた視点、それは確かに大切だ。でも使いどころを間違えると大変なことになる。『アンジェラ・デイヴィスの教え 自由とはたゆみなき闘い』にフェミニズムの章があるんですが、黒人女性がフェミニズムにおける女性から排除されたことと、異性自認男性が女性から排除されることは違うのに、仲間として連帯してる感じがある。その二つは全然別の理由です。前者は反省が必要。後者は、男は女じゃないからです!!

p176 強調は筆者

労働環境が改善されたら、この人は喜んでセックスワーカーとして働くんでしょうか?安全(?)に正当な(?)対価を受け取り、敬意を受けて(?)他人に性的行為する仕事を。…他人に性的行為をしなくてはいけない環境を安全とは呼ばない。性的行為は金で買えない。敬意は邪魔だ。必要なのは尊敬でも蔑視でもなく、自分と同じ人間として見ることだ。

コロナ禍による給付金の対象にならなかったのは確かにおかしい。でも必要なのはコロナ禍に限らずセックスワークをしなくていいように受け取れる給付金だろ。労働者とみなすな!困窮者とみなせ!彼らは助けを要求する権利がある!社会は女性をペイレイプから守る義務がある!稼がなくていい!男の役に立たなくていい!

作家・李琴峰との対談 異性自認男性をめぐる論争の背景について

立ち位置が異なるのではありません、性別が異なるのです。女性の恐怖心を尊重する気がないのは分かりました。恐怖心が仮に理解できなくても、性暴力を起こすのはほとんど男性という客観的なデータがあります。排除されているのではなく男性は女性スペースに最初から入れません。共存する必要はありません。棲み分けましょう。男性は男性用スペースへどうぞ。

女性も生存を脅かされてますが!??過去の事件を知らないでトランスジェンダーと女性用スペースの話題に首突っ込む人がいるようなのでリンク載せておきます。文京区小2女児殺害事件 ソウル江南トイレ殺人事件 あとこの連載時にはまだなかったですが、2023年4月に開業して8月に閉鎖された歌舞伎町タワーのジェンダーレストイレ()という、「現代の日本で失敗した」前例ができました。もう反論の余地がありませんね。

というかなぜ女性用スペースでの女性と異性自認男性の共存を考える??男性用スペースでの男性と異性自認男性の共存を考えるべきじゃないんですか???

男性が女性スペースに入ったら加害者です。女性スペース使わせろと言っていれば加害候補者とみなしますよ。というか既に加害者出てますからね。ス〇ンヌみさきっていうんですけど。前例が一件でもあればもう反論できませんよ。

性暴力被害経験のある女性同士」ってつまり女性の性被害者と異性自認男性の性被害者ってことでしょ!?支え合うどころか女性が異性自認男性のケア役にさせられそう。性暴力被害経験を娯楽的に消費されそう。性暴力被害経験者の男性が性暴力加害者にならない保証はない。女性は女性だけで集まる権利があります。

生物学的な性別の指標としてしばしば用いられるのは、外性器の形や生殖器、ホルモンバランスや染色体などですが、そのいずれかひとつを突き詰めればすべてのヒトを生物学的に明確かつ最終的な形で雌雄のどちらかに決定できるのかというと、現時点での医学や生物学は、必ずしもそんなにはっきりとは分けられない、と考えているようです。(p202)

おそらくDSD(性分化疾患)を考慮した部分なのでしょう。『フェミニズムってなんですか?』が発売されたのは2022年5月20日ですが、2021年にはネクスDSDジャパンさんが【緊急声明】「体の性のグラデーション(スペクトラム)モデル」は人権侵害です。を発表されています。この声明によれば上記は偏見です。トランスジェンダーについての他の本もDSDについて偏見をまき散らしているものがあるので注意が必要です。

『フェミニズムってなんですか?』の内容は半分くらいは全然変じゃない。でもトランスジェンダリズム(性自認至上主義)とセックスワークイズワーク(セックスワークを暴力や搾取でなく労働とみなすこと)に染まってしまっている。嘘をつくときは本当のことを混ぜるといいって何かで読みましたけど、この本にはうまく嘘が混ぜ込まれていると思います。女性の権利を主張しているようで、巧妙に女性の権利を削っている。初心者が入門書として読んだら騙されてしまいそうです。

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