『オレは絶対にワタシじゃない トランスジェンダー逆襲の記』2018 遠藤まめた はるか書房
ＷＥＢマガジンウェジーの連載「トランス男子のフェミな日常」を大幅に編みなおしたほぼ書き下ろし（p7）らしい。以下『オレは絶対にワタシじゃない』と略します。
『ひとりひとりの性を大切にする社会へ』2020 遠藤まめた 新日本出版社
トイレの話を中心にピックアップしました。またトイレの話かって嘲笑するなら、笑う側が譲れ。
『オレは絶対にワタシじゃない』
私が個人的に感銘を受けたのは、台湾の市役所で見つけたトイレだった。ここは、入口が「女子トイレ」「性別不問トイレ」に分かれている。女子トイレのほうは、通常どおり個室が並んでいるのだが、「性別不問トイレ」のほうは、さまざまな種類の個室がそろっている。なかをのぞくと、車いすや親子連れは入れる広めのトイレ、洋式の個室、男子小便器の個室などがあって、扉にはそれぞれ便器の形のマークが貼ってある。もともとはトランスジェンダーの存在を念頭に考案されたそうだが、それだけではない。異性の介助者がいる場合や、娘を連れた父親が利用するとき、女性トイレが混雑しているときなど、さまざまなケースを想定して作られているようだ。
p170
不思議なのは、遠藤まめたさんが感銘を受けたというこの台湾式の「女性用」「性別不問トイレ」を積極的に推進しないところ。女性用/男性用/誰でも用ではアウティングになる！（？）と散々言われてきたんですから、こっちのほうがいいと私は思いますよ。でも活動家からはとにかく女性自認男性を女性用に入れたい意欲しか感じません。こう言うとデマとか言われますがどっちがデマなんでしょうねえ。
著者の友人の女性自認男性（いわゆるトランスジェンダー女性）が、外見に自信がなくてどちらのトイレに入るかを悩んでいたとき、女友達が「こっち」と手を引いて女子トイレに誘ってくれたのでそれからは安心して女子トイレに入れるようになったという。（p171要約）誘われても入るな！！女性は男の欲望に忖度しなくていいんですよ!?もしかして男の欲望を（忖度して）叶えてあげてる自分に酔ってない？自分や女の安全を削ってまで男の役に立つ自分に酔ってない？全女性に迷惑だからやめようね！
そもそもトランスジェンダーたちがトイレに困るのは、「異質」と見なされることがトイレ空間においては「犯罪加害者」ぐらいのリスクを伴うためである。（p171）はあ？？男が女性スペース入ったら痴漢だが？？リスクだと言うのなら異性のスペースに入らなければいいんじゃないですか？？わざわざリスクをとる必要はないのでは？？？？
『ひとりひとりの性を大切にする社会へ』
お茶の水女子大学が女性自認男性（いわゆるトランス女性）を受け入れるニュースに関して「あえて書けば女子校に新しく男性が入れるようになったのではなく、女子校にすべての女性が入れるようになったという「だけ」の話」（p47）と書いてて、はあ？？トランス女性は男性です。遠藤まめたさんは中・高女子校で自分やほかの女子がのびのび過ごしてきたことを書いているのに、なぜ女子大はぶち壊したいんでしょうね。
（LGBT向けイベントか何かで）会場の１Fフロアは性別問わず使ってもよい、との許可を勝ち取ることができた。
p106()内は筆者
「これで、ようやく参加者たちにも胸を張って案内ができるね」と仲間たちとホッとしていたところ、当時交際していた私の恋人がわざわざ２Fの男女別トイレに足を運ぼうとしていた場面に遭遇してしまったのだ。
ブルータス、お前もか‼
せっかく頑張ったのにショックだったが、「世の中には一定の割合で女性向けのトイレしか使いたくないという女性が存在する」というのも事実なのだろう。
嫌がる女性がいるってよく分かってんじゃん。この話の流れで『オレは絶対にワタシじゃない』でも書いていた、台湾の女性用/性別不問に分けられたトイレを紹介しています。世田谷区役所庁舎改修にあたって台湾の事例を伝えたそうですが、庁舎はまだ施工中のようで意見が反映されてるのか分からないですね。（2023年12月現在）
ある中学生の女性自認男性（いわゆるトランス女性）の話を紹介している。３Fの教室から１Fにある「だれでもトイレ」に急いで行っていたが、同級生から「教室から出たそこにある女子トイレを使えば」との提案が出て使えるようになったという。（p112要約）…え、ほかの女子生徒の気持ちは？受け入れていたように見えたとして、それはまだ性被害に気付かない年齢ってだけじゃない？仮に女子生徒全員が受け入れる気持ちがあったとして、それでも入っちゃいけないと思う…「人として」…。
この社会から性犯罪がなくならないことを理由に、トランス女性は「まぎらわしい」ので女子トイレを使うべきでないと主張する人たちがいる。その人たちの中には、たとえそのトランス女性がよく知った同僚で、あきらかに性犯罪者でないことを知っていたとしても、自分たちの考え方は守られるべきだと主張する人たちもいる。どこかのだれかが犯した盗撮や痴漢、セクハラの責任を、今日もトランス女性たちは押し付けられている。
p115
「社会から性犯罪がなくならないことを理由」にしちゃダメなんですか!?性犯罪を防ぐより大事なことって何!?性暴力を大っぴらに言いふらす人なんていないだろ!?自分の“よく知った同僚”だけは大丈夫！と思い込める根拠は何？？なんなら同僚から被害に遭って告発しても、同僚として働き続けるかもしれないよ…この日本じゃ…。
「責任を押し付けられている」か…なんかモヤる言い方ですね。あとトランスジェンダーだけでなく男性全員が持っている責任ですね。犯罪やセクハラが起きないようにすれば男女の区別ないトイレでいいんじゃないかって考えなんだろうけど、私も身体男性から身体女性への性暴力が100年間ゼロ件だったらいいと思う！性暴力をゼロにしてから言ってね！（皮肉）
おわりに
どっちかの本で遠藤まめたさんはよくコンビニの共用トイレ使うって書いてたけど、危ないからやめたほうがいい。盗撮のリスクが高いから。何を自認していようと、ホルモンを打っていようと、盗撮されればどうせ「ま〇こ」として消費されるだけだよ…。
共感できるところもあった。「男扱いされたい」というより「私として扱われたい」って感じがする。私も女じゃなくて人間扱いされたいと思ってるよまめたさん。思春期に胸が成長したのを嫌がったみたいだけど、分かる分かる、私も苦しんだよまめたさん。身体違和に関して、メディアが「女の身体とはかくあるべし。で、あなたはダメ」と隠れたメッセージを送るの（『オレは絶対にワタシじゃない』p202）が影響していると私も思ってるよまめたさん。だから女性のトランスが増えてるんだと思ってるよ。
ジェンダーがみんなを苦しめるんだ、みたいな意見のところは賛同する。それなのにトランスジェンダーを肯定しているのが本当に不思議。トランスジェンダーこそジェンダーを強化する存在なのに。女らしくない女がいていいし、男らしくない男がいていい。ジェンダーで苦しんできたのなら、一緒にジェンダーを解体してほしいのにな。
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